浪人期を振り返る【7~9月編】

 

辛かったけど少しだけ楽しかった夏の思い出です。 

・7月 「ONE」パスピエ

 予備校が嫌になってからはしんどかったけど、7月に入ってようやく前期の授業が終わった。夏休みには楽しみにしていたことがあった。その日いつものように予備校に行くフリをして初めて乃木坂の握手会にいった。受験期に自分は立派なオタクになっていた。右手に握手券を左手に駿台の学生証を持って推しのレーンに並んだ。5秒ほどの短い時間だったけど「がんばって」と言われた瞬間は永遠だった。おかげで勉強のモチベーションは一気に上がった。とりあえず夏の模試に向けて二次試験の対策を重点的にやった。平常授業がなくなったことで勉強のベースを掴むのが難しかったけど、夏期講習を挟みながら何とか乗り切った。それから予備校で友達と喋る機会が減ったので、かわりにラジオにメールを送っていた。初めて採用されたときは興奮しすぎてラジオを聴かない友達にLINEしてしまった。自分のネタが採用された時の喜びは言い表せないくらいすごいから許して。

 

・8月 「beautiful goodbye」天才バンド

  夏期講習と実戦模試が終わってからは何をすればいいかわからなくなった。平均的な一日のスケジュールは朝10時に登校、16時には帰宅といった感じだった。予備校までは駅から20分ほど歩くので、猛暑日や夕立に濡れた日は本当に嫌になった。家や電車の中ではずっとラジオを聴いていて、このころから「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」に夢中だった。5年前の番組だけどインターネット上に音源が残っていてそれを聴いていた。毎週2時間かけてラジオコントをやるぶっ飛んだ番組で、いつ聴いても笑って元気になれた。とくに好きな回が「平甲子園」と呼ばれる回で、世間に不要とされるリスナーたちにエールを送る壮大なラジオコントだった。好きすぎて何度も繰り返し聴いた。それから先月は握手会に行ったけど夏休みの楽しみがもうひとつあって、バナナマンのライブをライブビューイングで観た。たくさん笑ってエンディングで泣いて、家に帰ってからは余韻に浸った。そんな感じでお笑いに支えられながら、気付けば勉強時間の減った状態で夏休みを終えた。

 

・9月 「一匹狼」湯木慧

 後期が始まってすぐ4つの模試を受けたがどれも手応えが無かった。原因が分からなかったので「たまにはこういうことも」と受け流した。しかし勉強時間不足は自覚があったのでラジオを聴く時間を減らそうとした。けれどラジオがライフラインになっていたので1週間ともたずに毎日2,3時間は聴いていた。とはいえ後期の授業が始まったことで勉強のペースは掴めたし、ある程度の勉強時間は確保できたからよかった。ホームルームで友達と会うことも増えたので夏休みに比べて気持ちは楽になった。9月の末には夏の模試が返却されて結果はB判定だった。高3のときはE判定しか取れなかったので嬉しかった。しかしB判定を取れたのはこれが最後で、すでに自分は無自覚にも坂道を転がり落ちていた。

 

続く