誰得な書評

 

昨日、中島らものエッセイ「砂をつかんで立ち上がれ」を読んでいました。

 

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きっかけは朝日新聞のこの記事。

https://book.asahi.com/article/12238243

 

 

アル中で薬物使用、躁うつ病も抱えた悩み多きアウトサイダーである作家・中島らもの、読書遍歴を中心としたエッセイ集です。

 

独特の語り口調と痛快な話に引き込まれて、読書氷河期だった僕も2時間で一気に読み終えました。紹介されていた他の作品も読んでみたくなりましたが、どれも古い本なので図書館で探してみようと思います。

 

 

それと、最近ハマりそうなのが、中公新書が出版している「物語 〇〇の歴史」シリーズ。

 

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いま、「物語 フィリピンの歴史」シリーズを読んでいるのですが、教科書などでは触れられていない、つまり受験には役に立たない知識がたくさん詰まっていてとても面白いです。

 

 

例えば「物語 フィリピンの歴史」の中で、エンリケ・デ・マラッカという人物の話が出てきます。

彼はマラッカ諸島を訪れていたマゼランに、奴隷としてポルトガルに西回りで連れて行かれました。そして後にマゼランが世界一周に挑んだとき、彼は奴隷兼通訳として同行しました。

マゼラン一行が西回りでフィリピンのビサヤ諸島に到達した時、エンリケは現地の首長と組んでマゼランを裏切り、一行から離脱しました。この時彼は、マレー語圏のマラッカ諸島から同じくマレー語圏のビサヤ諸島に、西回りで到達しています。

そして、ここから先は史実には存在しないのですが、もし彼がビサヤ諸島から故郷のマラッカ諸島に帰り、その到着がマゼラン一行のスペイン到着よりも早ければ、初めて世界一周を達成した人物とは、他ならぬエンリケ・デ・マラッカということになるのです。

 

とまあ、こんな具合に受験に役に立たない知識がたくさん詰まっています。

それでも読み物としてはとても面白く読みやすいので、日本史選択者やその国に旅行に行く人なんかにもオススメしたくなる本です。

 

 

 

以上、誰得な書評でした。

 

 

P.S.

完全に三日坊主になっていたブログですが、

 

これからも細々と更新します。笑